伊豆高原の静かな林に佇む、現代美術家ウエハライチロウのギャラリー「artspace1」

今回は、伊豆急行線「富戸駅」から車で約9分のところにある「artspace1」にお邪魔しました。

artspace1は、2001年にオープンした、現代美術家のウエハライチロウさんのアトリエ兼ギャラリーです。

ここでは、ウエハライチロウさんの作品や交流のあるアーティストの作品を楽しめるのはもちろん、静かな林の中にあるステキな建物で、心地良い時間をゆっくりと過ごすことができます。

現在ギャラリーの運営をおこなっているウエハライチロウさんの奥様にお話を伺ってきましたので、ご紹介しますね。

木々の間に見つけた三角屋根

道案内に従って進むと、最後は木々に囲まれた小道に入ります。その道を少し進むと、自然の中に溶け込むように、三角屋根と細い窓が印象的な建物があります。そこが、artspace1です。

木の間から見えるその様子は、まるでジブリの世界を見ているかのようです。

入り口にぐるっとまわり込むと、かわいいサインと、奥まったところに木の扉があり、この雰囲気だけでもワクワクします。

伊豆高原の大自然に囲まれて

中に入ると、奥様と2匹のかわいい猫がお出迎えしてくれました。

artspace1には薪ストーブがあり、パチパチとはぜる火を囲みながらお話しを伺いました。

ウエハライチロウさんは、20〜30代までヨーロッパで活動し、40代からはアメリカへ。50代になり伊豆高原にartspace1を構えました。

それまでは、お2人はもともと神奈川県にお住まいでしたが、暖かいところに引越したいとの思いで、伊豆高原へ移住してきたそうです。

しかし、暖かい南国なイメージがあった伊豆高原も、実際に住んでみると、思ったよりも寒いことに驚いたのだとか。ストーブもしっかり設置されていて、なんだか微笑ましくなりました。

それでも、伊豆高原は山、海などの大自然に囲まれているからか、奥様もアート作品のアイディアを考えたくなるそうです。自然のパワーが作品に繋がるのですね。

心地良い建物の秘密

ストーブを囲んでお話ししていると、木の温もりや窓からの光が心地良く、お話ししながら時間がゆっくり流れるのを感じます。

ステキな空間にうっとりとしていると、なんと、artspace1は1998年から2000年にかけてウエハライチロウさんがご自身で建てたものだと知り、驚きました!

artspace1は2階建てで、1階の天井の一部が金網になっているので、吹き抜けのような作りになっています。光や空気がまわって開放感のある空間となり、気持ちがいいのです。作品だけでなく建物にも芸術的な印象を受けました。

奥様とゆっくりお話しした後、ギャラリーにある作品を見させていただきました。

見応えたっぷりの作品たち

ウエハライチロウさんの作品は大小様々で、作品の多くはキャンパスではなく、木枠に和紙をつけて描かれているそうです。力強い円や、縦に伸びる線が印象的です。

絵だけでなく、佇むように並んだ木の彫刻作品もありました。まるでウエハライチロウさんの筆跡のようです。

ウエハライチロウさんの縦に伸びる線や、木の作品を見て、artspace1の細長い窓を思い出しました。これに気がついたとき、やはり、建物自体もウエハライチロウさんの作品のひとつとして建てられたんだなと思わずにはいられませんでした。

他にも、ウエハライチロウさんと交流のある作家さんの作品も展示されていて、1階から2階までたっぷりと見応えがあります。

作家同士の交流と発信の場

artspace1にある作品は、購入することもできるそうですよ。アート作品を家に迎え入れて飾るなんて、ステキですよね。

ウエハライチロウさんは、今までに日本ではもちろん、アメリカやヨーロッパでも数多くの個展を開催してきました。

昨年は、知人の画家のかたがたと「五月祭」と呼ばれるアーティストフェスティバルにも参加しました。

最近では、国内外アーティストを交えたアートキャンプをartspace1で企画し、アーティスト同士の交流の場、発信の場を提供されています。

みなさんも、伊豆高原の木に囲まれたステキな空間で、ぜひアート作品に触れてみてくださいね。

artspace1
住所:静岡県伊東市富戸1317-786
アクセス:伊豆急行線「富戸駅」から車で約9分
電話番号:0557-52-0880
営業時間:電話で応相談
定休日:不定休

※記載情報は取材当時のものです。変更している場合もありますので、ご利用前に公式サイト等でご確認ください。