香る削り節をいつもの食卓に、伊東市「森田削節店」

伊東駅前の駅前いちょう通りを下り、一本入った中道に今回ご紹介するお店はあります。森田削節店さんは店名の通り、鰹節を始めとする削り節、煮干しなどを販売されています。

お店の創業時期ははっきりとお分かりになられないようですが、現在80歳のご主人が物心ついた頃、幼稚園に通っていた時には既に開業されていたというお話で、1950年代頃からと考えられるそう。今から約75年前から営業を続けられているお店です。

品物の良さと、人当たりの良さ、どちらも兼ね備えているからこそのことでしょう。昭和初期から続く削り節屋さんなのです。SNSのたぐいはやっていない、やらないそうなのでgoogle mapなどで探していただき、こちらの外壁看板を見つけてくださいね。

削り節のいい香りに包まれます

いただいた名刺さえも香るほど。毎日削りたてを購入できるこちらのお店。プラスチックなど近代の工業製品は見渡す限り見当たらず、削りの機械も、秤も、最近の言葉で言いましたら“エモい”と表現してよいのではないでしょうか。

香りだけで木箱に出汁がしみ込んでいそうな雰囲気です。

お店に一歩入れば削り節の香りに包まれます。日本人にとって馴染み深く、落ち着くあの香りがします。

あぁ、本当にいい香りでした。今回は鰹の削り節と、宗田鰹の削り節を購入しました。

こんな感じの紙袋に入れてくださいます。うん、とってもよい姿。
100グラムで袋ぱんぱんです。お味噌汁4人前も6回以上は作れるでしょうか。

昆布と削り節でお味噌汁の出汁をとる我が家。いつもと同じ作り方をしたつもりでしたが、味が格別でした。主人も「今日のお味噌汁って森田さんの(削り節使った)?」と、こちらから伝えなくてもちゃんと気づいていました。そういうことです。一度味わってしまえば戻れない深みのあるお味なのです。

グラムで必要な量を販売しています

各ケースの左下に100グラムあたりの価格が表示されています。例えば煮干しでこんな感じ。

煮干しと昆布の出汁で作る豚汁なども好きなので買っておけばよかったかなと思いました。味噌汁の場合、頭と内臓を取り除くので、サイズや乾燥具合がポイントなのですがとっても良さそうです。

その他の商品は鰹節、鯖節、宗田鰹節を取り揃えています。

ご主人のおすすめの使い方を伺いました、「あくまで好みがありますから」と前置きがあった上で、冷奴などそのまま食材にかけて食べるような時や、薄味、繊細な味が求められるお吸い物などは鰹節がおすすめとのこと。お味噌汁などしっかり出汁をとりたい時は宗田鰹節や鯖節の利用がいいのでは、というお話でした。

きれいに血合いも除かれたふわふわの鰹節は、確かに口当たりが重要なお料理に利用するのがいいだろうなと感じました。

地方発送も対応されています。どの商品も地方発送可能とのことです。同じように削りたてを紙袋に入れて梱包して発送してくださるそうですが、あまりおすすめはしていないとのこと。

なぜなら軽く、かさだけが増す削り節は送料が余計にかかってしまうとのこと。せっかくのおいしい味を遠方の方にも!と贈答したくなりますが少々コストパフォーマンスがよくないようです。

その点を除けば、箱を開封した時から削り節のよい香りがお相手に届けられるプレゼントになりますね。

今はお手軽な化学調味料由来の出汁が使い勝手もよく、保存もしやすく、多く流通していると思いますが、本来の削り節でないと出せない香りと味わいをたまに食卓に取り入れるのはいかがでしょうか。

森田削節店さんで購入すると毎日削りたてですので、ビニール袋に充填された削り節とは違う、まさにお店で味わうようなお味がご家庭で楽しめますよ。

森田削節店
住所:静岡県伊東市湯川1-12-6
アクセス:JR「伊東駅」から徒歩約4分
TEL:0557-37-3720
営業時間:9:00-17:00
定休日:水曜日

※記載情報は取材当時のものです。変更している場合もありますので、ご利用前に公式サイト等でご確認ください。