伊豆銘菓と言えばホール・イン!伊東の老舗菓子店「梅家 湯の花店」

今回は、伊豆銘菓にも登録されているゴルフボールをかたどった「ホール・イン」という
お菓子を作っている老舗菓子店「梅家」に行ってみました。

有名なお菓子でも、自分が住んでいる地元の銘菓を食べる機会ってあまりないですよね?

実は、私もホール・インの存在は知りながらも、実際に食べるのは今回が初めてなんです!

なんと、2021年には、あの「ちいかわ」の漫画にもホール・インが登場したことがあるんです!ご存知でしたか?

この記事では、伊東を代表する老舗菓子店「梅家」の人気の秘密をご紹介しますね。

伊東を代表する老舗菓子店

梅家は、昭和12年創業、和菓子と洋菓子の製造販売をおこなう老舗菓子店です。つまり、80年以上続いているということ!すごいですね。

この日は、伊東駅から1番近い梅家・湯の花店に伺いました。伊東駅を出て右方向にある、伊東温泉湯の花通りを少し行くと、徒歩約5分で「ホール・イン」と大きく書かれた赤い看板が見えてきます。通りに面した店構えで立ち寄りやすく、店内も昔ながらのお菓子屋さんという雰囲気で上品な内装です。

お店に入ると、店員さんが優しく

「こんにちは」

と声をかけてくださいました。

ふと横を見ると、伊豆銘菓の認定証が飾ってありました。

ホールインかなと思いきや、なんと、「いづ柑」と「伊東ぽてと」というお菓子でした。

梅家で伊豆銘菓に登録されているのはホール・インだけでなく、3種類も伊豆銘菓に認定されているんですね。まさに、伊東を代表する老舗菓子店です!

店員さんに伺うと、

「今ではホール・インが有名ですが、いづ柑などのお菓子は、ホール・インよりも昔から販売されている人気商品なんです。」

と教えてくださいました。

地元の人から愛されるお菓子屋さん

ショーケースを見ると、看板商品のホール・インがずらりと並んでいます!

驚いたのは、ケーキなどの洋菓子も売られていたことです!

温泉街のお土産屋さんなのかなぁと思っていた私は、お土産用の焼き菓子だけが販売されているのかなと想像していたので、少し意外でした。ケーキは観光のお土産用ではなさそうですから。

でも、80年以上お店が続いているのは、観光客だけでなく地元の人にも「近所のお菓子屋さん」として愛されているからなのでしょうね。

ホール・インが繋ぐ思い出の味

ところで、ホール・インはどのようなお菓子なのでしょうか?

テレビでご当地スイーツにも選ばれるほど多くの人に愛されているホール・インですが、店員さんのお話を聞いて、ロングセラーの秘密がわかったので、ぜひご紹介させてください!

まず、梅家のお菓子は、和洋の素材を合わせたものが多いのが特徴です。

和洋合わせたものというのは、例えばホール・インの場合は、伊東の良質な温泉で茹でた卵の黄身を使った黄身餡を、ホワイトチョコレートで薄く包んでいます。黄身餡とチョコのコラボレーションです。

ホール・インは昭和30年代に商標登録されましたが、現在も発売当初と変わらない製法で手作りされているそうです。きっと当時は和洋合わせたお菓子は、ハイカラと呼ばれていたことでしょう。

さらに、伊東は温泉が有名な地ですが、観光誘致のためゴルフ場がたくさん建設された場所でもあります。ホール・インは、白くコロンとした丸い形をしていて、これはゴルフボールをモチーフにしているんですね!

昔、伊東へゴルフをしに行ったお父さんたちが、伊東土産としてこのホール・インを買って帰り、それを食べていた子どもたちが大人になった今、懐かしい思い出の味としてホール・インをまた買いに来ることがあるそうです。

このエピソードを聞いて梅家の歴史を感じますし、バトンリレーのように、変わらない味が次世代へ繋がれていることに感動しました。

当時ハイカラだったお菓子は、今では「昭和レトロ」なんて言われるようになり、その懐かしい雰囲気も人気の理由なようですよ。

伊東のいいものは、優しくて懐かしい

こんなエピソードを知って、ますますホール・インを食べてみたくなりました!

他の人気商品も気になり、店員さんに伺うと、ホール・インといづ柑のセットが人気と教えていただいたので、私は、ホール・イン3個といづ柑2個のセットを購入しました。

ホール・インは、銀色のホイルに包まれていて、それを開くとさらに白い薄紙に優しく包まれていました。このレトロな包みの感じ、なんだか懐かしい気持ちになります。

なんと、ふんわりと優しく包んであるホイルと薄紙は、すべて手作業で包んでいるそうです!初めは驚きましたが、すぐに納得しました。

ホール・インは薄くホワイトチョコレートでコーティングされたお菓子なので、中身を潰さないように優しく包んでいるんですね。この力加減は、手作業ならではだと思いました。

ホール・インは想像よりも甘さが控えめで、小ぶりなサイズ感もちょうどよく、パクパクと食べられます。お茶やコーヒーと相性が良さそうです。

いづ柑は、外側サクッと、中ふんわりな食感で、一口かじるとマーマレードの風味が広がります。

甘めのカステラ生地と、甘さ控えめで少し酸味のあるマーマレードとのバランスがよく、さっぱり食べられました。こちらは紅茶も合いそうですね。

どちらも優しい甘さで、懐かしい味わいで飽きません。

セットの箱をよく見ると、

「いとう の いいもの」

というシールが貼ってあり、ポップなデザインの箱もとてもかわいいですよね。これは、お土産に買って行ったら喜ばれそうです!

梅家では、焼き菓子は1個単位で気軽に購入できるので、伊東散策のお供にもおすすめですし、帰りにはお土産用もお忘れなく!観光のかたも、地元のかたも、ぜひ伊東の老舗菓子店、梅家に足を運んでみてくださいね。

梅家 湯の花店
住所:静岡県伊東市湯川1-14-9
アクセス:JR伊東線・伊豆急行線「伊東駅」より徒歩約5分
電話番号:055-737-9111
営業時間:8:30〜17:00
定休日:水曜日

※記載情報は取材当時のものです。変更している場合もありますので、ご利用前に公式サイト等でご確認ください。